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お久しぶりです・・

ベルリンも今週に入り、夏日和となりました。皆様いかがお過ごしですか?最近何人かの友人から”ブログがまだおせち料理のままだけど・・・”というご指摘を頂き、やっと重い腰があがりました。あまりにも間が空きすぎて、何から書けば良いのか分からないので、この2か月程をざっと写真と共に振り返りたいと思います。

まずこちら。
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何故舞台に木が、鳥が・・・と目が点になる方もいらっしゃると思いますが、この写真は4月のÜberraschung Konzert(サプライズ・コンサート)の時のものです。このサプライズコンサートは、事前に何を弾くか告知せず、当日会場に来ても演奏会が終わるまではプログラムを買えないので、観客の方達は何が演奏されるのかドキドキしつつ指揮者が曲を紹介してくれるのを待つのです。これはフィッシャーさんのアイディア。面白いですよね。この時はラウタヴァーラの鳥とオーケストラの為のコンツェルト、バルトークのかかし王子(全曲)などを演奏しました。この写真はラウタヴァーラの時のものです。実際は、この曲の為に鳥の鳴き声が録音されているテープを流しながら演奏するのですが、テープだけではなく本物の鳥にもぜひ出演してもらいたいとフィッシャーさんが熱望され、ラウタヴァーラさん本人にメールを書いて承諾を得て、舞台の真ん中に10匹ほどの鳥が登場したというわけです。コンサートは3日間ありましたが、1日目、鳥はうんともすんとも鳴かず・・・2日目、鳥はうるさすぎて曲の終わりにも鳴き続け・・・3日目、ほどよい鳴き加減で指揮者も満足・・といった具合でした。私は鳥の一番近くに座っていた為、鳥の羽は舞うし、水っぽいもの(おわかりでしょうか・・?)まで飛んでくるわで、恐怖でした。

そして次は4月の下旬にドレスデン近郊の町々でベートーヴェンのトリプルコンツェルトを演奏した際に、陶磁器で有名なマイセンでもコンサートがあったのですが、マイセンの町中の通りでこんなものを見付けました。
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有田焼です!一つずつ壁にはめ込まれています。
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写真では見えにくいのですが、日本の風景が描かれたその色と模様があまりにも綺麗で、うっとりと眺めてしまいました。ドイツのマイセン市と日本の有田市の間にこのような交流があったとは知りませんでしたが、素晴らしいですね。ちなみに、私は1800年代のマイセンのアンティークのカップを記念に買って帰りました。

そして最後に、先週行われたバッハ・ギムナジウムとの交流プロジェクト。2年程前にも、彼らとのプロジェクトのことを一度ブログに載せたことがありますが、今回は記念録音ということで、コンサートは無し。その代わり4日間リハーサルと録音がみっちり行われました。
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基本的に弦楽器は楽団員と学生が一つのプルトに座りましたが、管楽器はほぼ全員学生。何か月もかけて彼らは準備してきたのですが、みんなの真剣な態度や新鮮な反応が初々しかったです。私の隣にはウクライナ出身のアーシャちゃん。最後の日にウクライナの有名なロシェンのチョコレート(今、色んな意味で話題になっていますが)を美味しいからとプレゼントしてくれて、またまた感動。彼らの一生懸命な姿が、自分の学生時代と重なって、何だかとっても嬉しくなりました。
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調弦中。指揮はハンス・アイスラー音楽院の学長さんでした。


そして今月末はコンツェルトハウスで、ピアニストのヘンリ・ジグフリードソンとオーケストラの団員のタネリ・トゥルネンという二人のフィンランド人と共に、シューベルトなどのトリオを、来月上旬には、コンツェルトハウス管とシュニトケの合奏協奏曲の1番を同じく第一コンマスのミヒャエル・エアックスレーベンと演奏します。どちらも楽しみですが、シュニトケのこの曲は前から弾いてみたかった曲。しかも信頼しているミヒャエルと一緒に演奏できるので、本当にワクワクします。ご興味のある方、ぜひコンツェルトハウスまで足を延ばして下さい!
# by sayakomomo | 2014-05-20 07:53

祝 謹賀新年!

 
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 新年明けましておめでとうございます!
 今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 今回の年末年始は、おせち食べたさに娘と日本に帰国。母の手作りおせち(写真)はお正月になくてはならないものですが、今回は私の娘がその腕を継承すべきごとく、母と共に台所に立ち続けてくれました。私はお重におせちを詰めただけ(!)でしたが、これぞお正月という色とりどりのお料理を見ているだけで心晴れやかになりました。
 年越しは近くの神社へお参りに行き、おみくじを引きました。末吉でしたが、その内容はというと・・・世の為め人の為めに尽しなさい・・・とのこと。(まるで聖書の一節のよう。)他人を助けることで自分の運も上がるとも書かれていました。今まで自分のことに精一杯だったけれど、これからちょっとは他人のことにも目を向けよ・・・ということなんだと妙に納得して、甘酒を片手に家路に着きました。

 思い返せば、昨年は自分にとって色々な”始まり”の年でした。3月には日本コロムビアさんからデビューCDをリリースさせて頂き、4月には正式に読売日本交響楽団のコンサートマスターに就任しました。そして、7月にはベルリン・コンツェルトハウス室内管弦楽団の日本初ツアーも行われました。ベルリンでは、ベルリン・コンツェルトハウス弦楽四重奏団が結成され、12年ぶりにカルテットを演奏しましたが、その第一ヴァイオリン奏者として今後活動を続けることになったり、Berliner Notett という弦楽器と管楽器が混ざった九重奏団も結成され、参加することになりました。
 ”初めて”が多かったこともあり、何かと不安に思うこともありましたが、それ以上に音楽を奏でられることへの感謝、喜び、そして将来への期待に胸いっぱいでした。色んな意味で、昨年は新たに種をまいた年でもあるように思います。これからその種がどのように成長するかは私次第だと思いますが、今年はまず、そのまいた種が小さな芽を出せるように、水をあげ続けられたらと思います。そしていつも私のまわりでお日様を照らす役割をしてくれる家族や応援して下さる方達には、心からの感謝を忘れず、音楽を奏でることで少しでもお役に立てたらと思わずにいられません。

 2014年が皆様にとっても素晴らしい年になりますように・・・ 
 今年もまた皆様と音楽を通して語り合えることを楽しみにしています。
# by sayakomomo | 2014-01-01 14:00

初来日ツアー終了!


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 皆さん、ご無沙汰してしまいました。久しぶりにブログを更新しようかと自分のブログを開けてみたところ、夏のコンサートに来て下さった方達からのあたたかいメッセージを見付けて、感激致しました。どうもありがとうございます!そしてもちろん、コンサート会場に足を運んで下さった皆様にも、心からお礼を申し上げたいと思います。
ベルリン・コンツェルトハウス室内オーケストラの初来日ツアー、本当に気持ち良く終えることができて、私にとって非常に心に残るツアーとなりました。メンバーも、日本滞在を心から楽しんだようです。行く先々での”おもてなし”には、ここまで親切にして下さるのかと大変感激し、またどこに行っても音響の良いホールで弾かせて頂くことが出来、大満足でした。メンバーは空き時間を利用して、観光にもせっせと出かけていたようで、何人かは築地で早朝から素晴らしく美味しいお寿司を食べてきたり、高松では雨の中、屋島や栗林公園にも足を運び、西脇市でのコンサートの際に泊まった姫路では、姫路城(残念ながら改装中)まで見に行ってきたようです。私は、もっぱら食べるのが中心で、高松ではうどんはもちろん、地元の方に教えて頂いた居酒屋に通い、姫路では心に決めていた明石焼きを食べに行きました。とっても美味しかったです。

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朝食の一コマ。意外に少食?

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新幹線で移動中。


 
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この3人のヴァイオリン弾きは、移動中もホテルでも暇さえあればカードゲームに熱中!


それにしても、みんなの元気だったこと。ツアーの途中からは猛暑に襲われましたが、初日の武蔵野公演から最終日の横浜公演まで、本番で舞台に出る一歩前まで、おしゃべりが止まらない・・・毎回のコンサートの前に、びっしりと1時間半ほどのリハーサルをしても、みんな全然平気です。でも、そんなみんなに、私は本当に助けられました。直前のリハーサルでも注文が止まらない私に対して、嫌な顔をするでもなく付いてきてくれて、私だけでなく、みんなが心から良いコンサートにしようと思ってくれていることが伝わってきて、最後の最後まで私達のベストを尽くせたのではないかと思います。

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本番前のリハーサル中。


ツアーの最終日の前日にメンバー全員でごはんを食べに行き、色々と話しましたが、メンバーが口ぐちに言っていたことが、行く先々のホールのスタッフさんやマネージメントをして下さったメロス・アーツの方が、自分達が気持ち良く演奏出来るようにと、そのことを第一にして細々と動いて下さり、本当に感謝しているということでした。そして、お客さんのマナーの良さに驚き、熱心に聞いて下さる姿にますます気合いが入ったそうです。彼らが日本で経験したことについて感激して話をしているのを聞いていて、日本人として何だか心が温まりました。彼らがたくさんの良い思い出を胸にツアーを終えられたこと、これは、応援して下さった皆様のおかげだと思っております。本当にありがとうございました。


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居酒屋さんで、何を食べるか写真を見て思案中。

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本番後のリラックスした表情。本番前もこんな感じではありましたが・・・笑


そして、その良い雰囲気を保ったまま、3日後にはコンツェルトハウスで今シーズン最初の定期演奏会が行われます。今回は前半がヘンデルの合奏協奏曲op6-11とバッハのブランデンブルク協奏曲4番で、後半がバルトークのルーマニア民俗舞曲とディヴェルティメントです。うーん、大変なプログラム。いつも演奏会前になると、何でこんなプログラムにしてしまったのかと自分を責めるのですが、今回も準備段階で既に反省。でもブランデンブルク協奏曲では我がオーケストラの二人の素晴らしいフルーティストと共演しますし、バルトークも非常に格好の良い魅力的な曲ですので、頑張りたいと思います。今回もまた録音が入るので、いつの日かCDとして発売されることになるかと思います。皆さんに聴いて頂くことを励みに、皆でしっかり音楽を作っていきたいと思います。

後一つ皆様にお伝えしたいことが!昨年私達の室内オーケストラが、ダニエル・ホープのヴィヴァルディ”四季”(マックス・リヒター編曲)のグラモフォンへの録音でご一緒させて頂きましたが、この度そのCDがECHO賞のKlassik-ohne-Grenzen-Preisを受賞しました。ECHO賞といえば、以前そのことについての記事を書いたことがありますが、今年も10月6日にベルリンのコンツェルトハウスで受賞者コンサートが行われます。私は丁度その時日本に帰国していて、今回は参加できないのですが、ダニエル・ホープが受賞者コンサートで私達と録音した曲を私達と一緒に演奏するとのことなので、とても残念!でも、ネット中継でみんなの雄姿を見れたらなと思います。
Viva--!!


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                    ありがとうございました!
# by sayakomomo | 2013-09-13 08:01