B→C (ビートゥーシー・バッハからコンテンポラリーへ)

 半年ぶりの日本帰国が2週間後に迫ってきました。今回は東京オペラシティ主催公演のビートゥーシーシリーズに出演します。兵庫出身ということで、1月31日の東京オペラシティ・リサイタルホールでの公演に続き、2月3日に大阪のザ・フェニックスホールでも同じ公演をさせて頂きます。

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ピアノで共演するオリヴァー・トリエンドルさんとコンツェルトハウスでリハーサル中。


 もともとバッハはドイツに来てからより興味を持って勉強していることもあり、バッハに関連するプログラムを作れるなんておもしろい!と、プログラム作りは凝りました。なかなか良いプログラムを作ったと自分で満足していましたが、準備を進めるうち、これは聴く方も弾く方も大変かもしれない・・・と思うようになり、少々不安に。極めつけは、最後のレーガーのソナタ。全く弾かれない上に、ヴァイオリン奏者でも彼のヴァイオリンとピアノの為のソナタを弾いたことがある人は稀。私がオペラシティに提出したレポートにはこう書いてある。

”たくさんの曲がフーガや変奏曲形式で作曲され、又優れた対位法の技術を持っていたレーガーの作品は、どの作品にもバッハ・ベートーヴェン・ブラームスのドイツ音楽本流を汲んでいるのが感じられると思います。彼のヴァイオリン作品はたくさんありますが、その中から晩年の作品でもあるヴァイオリンソナタ第9番を取り入れたいと思います。この作品では、”ワイルド レーガー”と呼ばれるに至った行き過ぎたモチーフや調性感などがなくなり、それらがもっと内面的なものの追求心へと変わったと言われています。残念ながら、彼はこの新しいスタイルのソナタを作曲した翌年に世を去りましたが、その意味でもとても貴重な作品であると思います。”

 その通りなのですが、転調のあまりの多さにヴァイオリンパートを演奏しているだけでは、何が起こっているのか全く分からないし、ピアノ譜を見ても、あまりの音の数の多さに何の和音か想像がつかない。困っていたところ、丁度良いタイミングで、今回ピアノをお願いしたオリヴァーとベルリンでリハーサルをすることが出来ました!オリヴァーもこの曲は弾いたことも聞いたこともなかったということで、勇気ある選曲だね・・・なんてリハーサルの前に言われ、二人ともドキドキで弾き始めましたが、意外や意外。でっぷりしたレーガー彼自身を彷彿させるような、非常に表情豊かで聴き応えのある曲でした。とっつきにくいかもしれませんが、何回か弾くうちに二人”は”、はまってきました。ということで、皆さん、楽しみにしていて下さい!

 あともう一つ忘れてはならないのが、前半に演奏するイサン・ユン作曲の”フリードリッヒ大王の主題”(無伴奏)。この間、仲良しご近所さんのN夫妻と話したとき、旦那様が”今年はフリードリッヒ大王の生誕300年記念年。それに、誕生日も1月24日ですよー!”と指摘して下さり、その偶然にびっくり。もちろんこの主題はバッハの”音楽の捧げもの”に使われている有名な主題。300年と7日前に作られたこの主題を元に、イサン・ユンが1976年に作曲したこの超絶技巧変奏曲(!?)も、要チェックでお願い致します。

 
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オリヴァーとはロッケンハウス音楽祭で初めて一緒に演奏しました。素晴らしい室内楽奏者です。少し前よりも痩せたオリヴァー。ランニングをするようになったとか・・


 
 今回のこのプログラムは明確な意図を持って作ったもの。少しでもたくさんの人に足を運んで頂いて、この一晩の演奏会で、バッハの偉大さ、そしてバッハの計り知れない影響力をほんの少し皆さんと分かち合えたらと思います。それでは、会場で皆さんにお会い出来るのを楽しみにしています!


・・公演情報・・
2012年1月31日[火]19:00 東京オペラシティ・リサイタルホール
2012年2月3日[金]19:00 大阪 ザ・フェニックスホール


[共演]

ピアノ:オリヴァー・トリエンドル *

[曲目]

J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第3番ホ長調 BWV1006
尹 伊桑:大王の主題(1976)
B.A.ツィンマーマン:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ(1951)
J.S.バッハ:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ホ短調 BWV1023 *
M.レーガー:ヴァイオリン・ソナタ ハ短調 op.139 *

詳細・・・http://www.operacity.jp/concert/2011/120131/index.php
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by Sayakomomo | 2012-01-15 08:47
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