ベルリン・コンツェルトハウス室内オーケストラ

 6月に入り、夏も間近にやって来ました。この2ヶ月はベルリンでのオーケストラの乗り番が続いたり、オーケストラのメンバーとのカルテットの演奏会、そして極めつけ(!)に、一昨日ベルリン・コンツェルトハウス室内オーケストラの定期演奏会が行われました。オール・バロックプログラムで、バッハのブランデンブルク協奏曲の第1番や、ヴィヴァルディのエコー協奏曲、ビーバーのバッターリアなどを演奏しました。いつもたくさんの方が聴きに来て下さるのですが、今回は何日も前から完売で、みんな益々気合が入りました。

 室内オーケストラを弾き振りし始めて4年目になりましたが、リーダーとしての責任・圧迫感は、他のコンサートではちょっと味わえないものがあります。まず大事なことは、リーダーがいかに前準備をするかということで、何週間も前から何度も楽譜を読み込んで自分で納得したところで、全ての楽譜に弓使いや強弱・アーティキュレーションを書き入れていきます。

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(こんな感じで全てのパートに書き入れていきます。特にバロック音楽はアーティキュレーションが全てですので、どこに音楽が向かうかということが分かりやすいようにします。)


 ほんのちょっとした書き方、又書き入れる位置で随分みんなの弾き方が変わってくることを経験上学んだので、書き入れる時には、細心の注意を払います。もちろん、リハーサル中にも説明しますが、限られた時間内で全てのことを理解してもらえるわけでもないので、前準備が大事なのです。ただ、リハーサルが始まり実際に音が鳴ってみると、”こんな筈ではなかった・・”というようなことが、多々出てきます。特に今回の様に弦楽器にホルン2本、オーボエ3本が加わったバッハのブランデンブルク協奏曲の第1番は、人数も多く、みんなで一緒の方向性を持って演奏することが、いかに難しいことなのか改めて感じました。
コンサートの成功への第一歩は、リーダーがいかに良いリハーサルをするかにかかっています。リーダーの私がどれだけ自分の目指すところを確信持って打ち出せるか、そしてみんなで一つの音楽をどれだけ同じ方向性を持って共有する作業をできるか・・・いざコンサートで演奏となると、もう私に出来ることは分かりやすい合図を出すくらいで、後はみんなのアンサンブル能力が必要となります。この相互関係が上手くいって、初めて良い演奏へとつながります。そんな危うさも指揮者なしの室内オーケストラの一つの魅力なのかもしれません。色んな解釈があり、これが絶対に正しいということはない”音楽”を演奏していくうえで、どれだけ効率良く、分かりやすくリーダーとしてみんなを引っ張っていけるか・・・これからも私にとって大きな課題であると思っています。
 もちろん、ただただ純粋にみんなで演奏することを楽しめた瞬間もたくさんありました。例えばビーバーのバッターリアは演奏するのを心待ちにしていた曲。この曲に関していえば、最大限みんなで一つの音楽を共有できたのではと思います。
そしてもう一つ、いつもと違ったのはライブ録音をしたということでした。今シーズンの3回の定期演奏会、ベルリンのBシャープスタジオという所からCDが発売されることになっているので、リハーサルの3日目、GP、そしてコンサートとずっとマイクを意識してのリハーサルと本番。前回と前々回の定期演奏会は事情で参加できなかったこともあり、私にとっては初めての室内オーケストラ・ライブ録音となります。出来上がりは夏以降になりますが、今からドキドキです。


 そして昨日の夜は、この夏日本ツアーに行く時のメンバーが我が家に集まり、パーティをしました。お寿司などの日本食に日本酒、和菓子・・・残念ながら全員は集まれませんでしたが、とても賑やかで楽しい夜になりました。

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日本酒で乾杯!


 日本に行ったことのないメンバーが何人かいて、色々と聞かれましたが、私が答えるより先に、何度も日本滞在経験のあるチェロのアンドレアス(真ん中)が全ての質問に答えてくれ、しかもドイツとの日照時間の違いまで説明してくれて、私の出る幕は全くなかったので、一同大笑いでした!その隣のチェロのダミエン(右から3人目)は、ついこの間もラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンで演奏する為、日本に行ってきたそうです。日本ツアーのプログラムは前半がバロック、後半がロマンティック・現代と、室内オーケストラの魅力がたっぷり楽しめるものです。みんなで一緒に一つの音楽に向かう姿勢を大事に、そして、私達だけにできる表現方法を模索しつつ、リハーサルに力を入れていきたいと思います。
梅雨の真っ最中ではありますが、たくさんの方達にご来場して頂いて、音楽の持っている様々な魅力を皆様と分かち合えたらと思います。

 私達の初来日コンサート、ぜひ聴きにいらして頂けたらと思います!



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ベルリン・コンツェルトハウス室内オーケストラ
コンサートマスター&ヴァイオリン独奏/日下紗矢子
日本ツアー情報

■7月1日[月] 19:00東京・武蔵野市民文化会館(小)

■7月4日[木] 19:00高松・アルファあなぶきホール(小)

■7月5日[金] 19:00西脇市立音楽ホールアピカホール

■7月6日[土] 15:00豊田市コンサートホール

■7月7日[日] 15:00横浜・フィリアホール


<曲目>
ヘンデル:合奏協奏曲ト長調Op.6-1,HWV319
J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲 第2番 ホ長調 BWV 1042
J.S.バッハ:G線上のアリア(管弦楽組曲 第3番 ニ長調 BWV1068 第2楽章 エア)
ビーバー:戦闘(バッターリア)ニ長調
ラウタヴァーラ:組曲「村の音楽師(ペリマンニたち)」Op.1
チャイコフスキー:弦楽セレナード ハ長調 Op.48
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by Sayakomomo | 2013-06-02 00:12
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