時間の経つのは早いもので、あっという間に12月も下旬となってしまいました。今年の冬はまだ1、2回しか雪が降っておらず、毎朝の車の雪かきをしなくていいのは、本当に有難いことです・・
さて、今月の初め、フランクフルトにオーケストラのツアーで行き、アルテ・オパー(Alte Oper)でドレスドナー・クロイツコア(Dresdner Kreuzchor)と演奏してきました。 このドレスデンのクロイツコアはライプツィヒのトーマスコアと並んで歴史のある、とても有名な子供の合唱団です。一年毎にクロイツコアとトーマスコアがコンツェルトハウス管と演奏しにやってくるのですが、去年の同じ時期にトーマスコアとバッハのクリスマスオラトリオを演奏したことを懐かしく思い出しました。この二つの合唱団、引率なさる先生がなかなか強烈で、オーケストラとのリハーサルでもかなり厳しい言葉がどんどん子供達に飛んでいます。同じ年頃の子持ちが多い私達オーケストラメンバーは、ひやりとすることもありますが、そうやって毎日厳しい訓練を受けているからこそ、長年歴史を作ってこられたのでしょう。二つを比べて、トーマスコアの方が、先生や上級生との規律のようなものが非常に厳しく、クロイツコアの方は、もっと自由な感じがしました。が、それは今年からのことだったようで、オーケストラの同僚は今回の練習中、クロイツコアの指揮者の子供達への接し方の変わり様に驚いたとのこと。前回までは、子供達に向かって怒声がリハーサル中飛び交い、それに反してオーケストラにはひたすら丁寧だったと・・・何が起こったのかと、皆一様に首をかしげていました。でも、かわいい子供達への怒声は聞きたくないので、良かった・・ 移動中は楽譜の勉強・・・ではなく、カード遊び! そして、今日は毎年恒例のコンツェルトハウス・クリスマス会がコンツェルトハウスで行われました。オーケストラのメンバーと事務局で働く人達、そしてその家族が集合。サンタクロースが一足先に子供達にプレゼントを持ってきてくれたり、歌を歌ったり、そしてパントマイムや紙芝居などの催し物も毎年行われます。 そして、もちろん冬のドイツ名物(?)、熱々のグリューワインに、焼きたてドイツ・ソーセージ! 締め括りは、大ホールから流れる室内楽プログラム担当者によるオルガン演奏。 要するに日本でいう忘年会のようなものでもあるのですが、途中で雪がちらついて、とても素敵なクリスマス会となりました。 皆さん、Merry Christmas !! ---次回の日本での公演情報--- 1月31日 東京オペラシティ・リサイタルホール 2月3日 大阪・フェニックスホール 詳細はこちらをどうぞ・・ http://www.operacity.jp/concert/2011/120131/index.php #
by Sayakomomo
| 2011-12-21 07:42
かつてないほど間があいてしまったこの度のブログ更新。書くつもりで、結局書けなかったのが、神戸室内合奏団とのドイツツアー。ベルリンを皮切りに、フルダやデュッセルドルフの方までまわり、モーツァルトの3番のコンツェルトを楽しんで弾かせて頂きました。久しぶりの日本の楽団との共演。非常にまとまりがあって、美しい響きを持つこの神戸室内合奏団。みんなと一緒に演奏する喜びをまた感じられた一週間でした。
でも今回は、10月初めに行われたEcho Klassik Preis の受賞者コンサートについて書きたいと思います。このEcho Klassik Preis は毎年、CDをリリースした人の中から、そのアルバム・録音が素晴らしかった演奏者に送られる、非常に大きな賞です。たくさんのカテゴリーがあり、例えば、”Saengerin des Jahres"(今年の女性歌手賞)、”Saenger des Jahres"(今年の男性歌手賞)、”Instrumentalist des Jahres"(今年の楽器賞- ピアノ、ヴァイオリン、チェロなどそれぞれ選ばれる)など。受賞コンサートに出るのはその一握りの人達なのですが、今年はトーマス・ハンプソン(歌手)、ユジャ・ワン(ピアノ)、ローランド・ビリャソン(歌手)などの素晴らしい受賞者が出演しました。その受賞者コンサートが今年行われたのが、ベルリン・コンツェルトハウス。来シーズンからの首席指揮者、イワン・フィッシャー指揮でコンツェルトハウス管弦楽団が演奏を受け持ちました。 この受賞者コンサート、毎年ZDFというドイツ大手のテレビ会社が放映することでも有名で、リハーサルが始まる何日も前からZDFのスタッフを中心に舞台つくりから照明、全て徹底的に準備をしていました。2日間のリハーサル中、カメラはまわりっぱなし、照明調節の為、オーケストラにも本番同様、黒の洋服を着ることが義務付けられ、ZDFスタッフが走り回り、無線でのやり取りが至る所で行われている状況。普段とあまりに違うコンツェルトハウスの大ホール、完璧にお祭り騒ぎでした。 おもしろかったのが、当日のGP。ソリストの人達も、照明調節の為に本番衣装でみんな現れたのですが、頭にたくさんカーラーを巻いたまま堂々と現れた人、演奏が激しすぎて頭から髪留めのピンがポロポロ落ちた人、すったもんだの挙句テロップに歌詞を流すことにした人、全部は書けませんが、とりあえずオーケストラの人達の目は、彼らに”釘付け”でした。でも、かなり奇抜に思えた振る舞いや言動、後でテレビで見ると、丁度良くて、テレビに出るスターというのはこういうものなのかと感心しました。 本番では、ダニエル・バレンボイムとズービン・メータがチャイコフスキのポロネーズを二人一緒に振るよう司会者に誘導されてしまった場面もありました。バレンボイムが始めのキューだけ出して、メータを舞台に残して客席へ・・。残されたメータは仕方なく振っていましたが、やっぱりすごい指揮者って、体の一部を少し動かしただけでも人を惹きつける力があるのだなと、たった2分程でしたが感じました。終わってから私達に向かって一言。 ”僕、この曲振ったことないんだよ!” 振り返ると、本当に楽しい3日間でした! さて、来週は新たな試みである、オルガン・チェンバロとバッハ&ビーバーを演奏するコンサート、そして弾き振りをするコンツェルトハウス室内オーケストラのコンサートがあります。勉強することが山積みのこの期間、思いっきり音楽に没頭したいです。 16日のコンサートの詳細 http://www.konzerthaus.de/programm/detailansicht.php?id_event_cluster=87796&id_event_date=332851&id_language=1&month=10&year=2011 20日のコンサートの詳細 http://www.konzerthaus.de/programm/detailansicht.php?id_event_cluster=87812&id_event_date=332854&id_language=1&month=10&year=2011 #
by Sayakomomo
| 2011-10-11 07:27
長い夏休みを経て、遂に2011/2012シーズンが開幕しました! 従来は首席指揮者が登場する開幕コンサートですが、この一年は首席指揮者が不在ということで、ドミトリー・キタエンコさんの指揮で開幕しました。 プログラムはヴィラ・ロボス、ガーシュインのキューバ前奏曲などのラテン系。このシーズンの"Artist in Residence"であるチェリストのソル・ガベッタさんも登場してサン=サーンスの協奏曲で華々しい演奏を披露しました。最後の締めはヒナステラの”マランボ”!デュダメル指揮のシモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラがよく演奏していて、You Tubeで彼らのノリノリの演奏を聴いていた私。最初のリハーサルでは、同僚達のあまりのノリの悪さにもどかしい思いでいっぱいでしたが、コンサートでは、やはり律儀なドイツのオーケストラらしく(?)、曲の最後の方で音に合わせて足踏みをする所では、音楽に合わせて何と足踏みまでクレッシェンド!!(指揮者はそこまで指示しなかった。)お国柄ってやっぱりあるかも・・・としみじみ思いました。 的確な指示を出して、細かくリハーサルをして下さった指揮者のキタエンコさん。次回は年末年始のジルベスター・ニューイヤーコンサートでご一緒させて頂きます。その時のプログラムはまだ決まっていませんが、彼がブラームスやベートーヴェンを振ったらどうなるのかな・・・ 笑顔で始まって笑顔で終わった今回の開幕コンサート。新しいシーズンの良いスタートが切れました。 #
by Sayakomomo
| 2011-09-01 13:31
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日下紗矢子(Sayako Kusaka)のblog!ベルリン・コンツェルトハウス管のコンサートマスターになって早五年。ママになってもう十年!ドイツでの一喜一憂の日々を綴ります。 by Sayakomomo
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