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 チャリティーコンサート in Konzerthaus Berlin

 あの大地震からすでに3週間経ちました。日本から遠く離れたドイツにいる私達日本人にとっても、まだまだ普段どおりの生活というわけにはいかず、落ち着いた生活を送るまでには時間がかかりそうです。
 そんな中たくさんの人達が日本を支援する為のチャリティーイベントを開催しています。街頭での募金活動、バザー、そしてコンサート。ベルリンだけでも日に何度となく行われている活動やコンサートにしても、たくさんありすぎることはないと分かってはいるのですが、することの意義も同時に考えてしまいます。

 私は震災の後、すぐにコンツェルトハウスに掛け合って、来週の火曜日、4月5日にコンツェルトハウスの大ホールでチャリティーコンサートをすることになりました。オーケストラ事務所の方達も私がリーダーを務めているコンツェルトハウス室内オーケストラの人達も積極的に協力してくれて、室内オケメインで、あとヴィヴィアン・ハーグナーさん(ヴァイオリン)やマーティン・ヘルムヒェン氏(ピアノ)などのソリスト達も参加してくれることになりました。
 チャリティーイベントラッシュの中でどれだけの人が来てくれるのか全く見当もつきませんが、支援金のことだけではなく、音楽を通じて少しでも落ち着ける空間をつくることができたら、そして前向きに希望を持ち続ける為にも素晴らしい一瞬をみなさんに贈ることができたらと、強く思っています。
 
 リハーサルの時間も限られた中でのコンサートになりますが、このコンサートが、被災された方達を偲ぶだけでなく、私達の未来をも照らせるようなコンサートになりますように・・・


 コンサートの詳細はこちらをご覧下さい。
 www.konzerthaus.de/aktuelles/detail.php?id_page=27087&id=1&id_language=1
 日本語のインタビュー動画も配信されています。
 www.youtube.com/watch?v=4UUusqWFnzE
# by Sayakomomo | 2011-04-03 07:24

 地震

オーケストラのリハーサルの休憩中、友達が持っていたコンピューターで地震のニュースを見て愕然とした。津波がもの凄い速さで押し寄せて、全てを次々と覆い尽くしている・・・

今日は朝からのリハーサルだったので、午前8時すぎにコンツェルトハウスに着いていた私は地震のことをまったく知らなかった。リハーサルが始まる頃から次々と同僚達に大丈夫なのかと聞かれていても、まさかこれほどの大地震が起こったとは想像もできなかった。
リハーサルが終わるのも待ち遠しく、家に急いで帰った後はテレビの前に釘付け。次々と流れてくる衝撃的な映像には言葉が出てこず、何も手がつかなくなった。幸いなことに日本の家族もみんな無事で安心したけれど、被害にあった方々を思う度、そして被害の状況を知る度に、気がつけばいつも手を握り締めてお祈りしている。
日本から遠く離れた土地で、自分の母国の悲惨なニュースを眺めているのは、本当に切ない。何も出来ないけれど、ただただ少しでもたくさんの人が助かることを心から願うのみです。
# by Sayakomomo | 2011-03-12 06:02

 3人の第1コンサートマスター

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左・Michael Erxleben氏   真ん中・私   右・Michail Sekler氏


先日、来シーズンのオーケストラ冊子の為の写真撮影をしました。プログラムや指揮者のインタビューなどが載っているこのオーケストラ冊子、各オーケストラがシーズン毎に作ります。各オーケストラ、かなり気合いを入れて作っているように思いますが、日本から来られた方に”これ無料ですか?”と確認されるほど立派なものです。少々身びいきかもしれませんが、コンツェルトハウス管の冊子は中でも毎年とても素敵な作りになっていると思います。
毎年写真の撮り方が変わり、昨年はグループ毎、一昨年は全体写真のみでしたが、今年は楽器に関わらず自由な組み合わせで撮ることになりました。が、コンサートマスターは3人一緒に撮りましょうということで、先日3人集まりました。
基本的に3人の第1コンサートマスターが一緒にオーケストラで演奏することは無く、1回のコンサートで多くて2人、ほとんどの場合1人しかのりません。ですので、3人一緒に顔を合わせることは実はあまりありません。
この機会に、お2人のことを少し紹介したいと思います。

まずエアックスレーベン氏(写真・左端)。彼とはオーケストラ以外でも共演させて頂いたことがあったり、何かと困った時、またオーケストラのことだけに限らずたくさんのことを親身になって相談にのって下さる方で、非常に信頼しています。彼は東ドイツ時代、東ドイツの若きホープだった人です。1982年から第1コンサートマスターとして働いていますが、西ドイツと東ドイツが統合されたことによって状況がかなり変わり、話を聞く限り、彼はその時代の流れに非常に翻弄された人でもあると思います。彼を初めて見たのは、私がベルリンに来て2ヵ月後、初めてコンツェルトハウス管を聴きに行った時です。大きくて怖そうでにこりともせず、何とも独特の雰囲気を漂わせていました。(失礼!実際は違いますよ。)彼は古楽器も弾きこなし、バロックの音楽にも並々ならぬ情熱を持っていますが、何といっても本当にたくさんの知識を蓄えている人でもあり、尊敬している人の一人です。そして何と、これはこのオーケストラに入ってから気付いたことなのですが、私が高校時代にショスタコーヴィッチのコンチェルトを勉強していた時に、彼がコンツェルトハウス管と弾いているこのコンチェルトのCDを購入していたのです!あまり聞き慣れない名前だったこともあり、何回も聴いていたわりに名前を覚えていなかったのですが、まさかこんなめぐり合わせがあるとは・・・。人生って不思議です。

そしてゼクラー氏(写真・右端)。彼はロシア出身で1990年にドイツに移住し、このオーケストラで働き始めました。彼は非常にマイペース。いつも落ち着いていてにこやかで、演奏中に何が起きようと動じません。”さやこはもっと食べなければいけない”と会う度に言われますが(笑)、私がアメリカでロシア人の先生に習っていたこともあり、話し方、考え方など親近感を覚えます。彼はオイストラフの弟子だったので、話しているとオイストラフの話も出てきておもしろいですし、どんな時にも和みを与えてくれる人です。

それにしても、私はこんな素晴らしい”同僚”を持てて幸せものだと思います。2人とも私が試用期間の時から親身に、時にはアドバイスをしながら引っ張ってくれました。2人と隣同士で弾く時は、彼らの経験、知識に触れることが出来るので、とても楽しいです。甘えてばかりいないで、2人の背中を見ながらしっかり学んでいきたいです。
# by Sayakomomo | 2011-02-26 02:00